北朝鮮「偉大な愛」の幻 [政治]
2007年7月21日放送
評価:4.6
出版社 / 著者からの内容紹介
<北朝鮮の現状と未来や日米の今後の対応のあり方について、亡命者の証言を吟味し、ぼう大な資史料を分析して貴重なヒントを与える傑出したノンフィクション。>
金日成の作品、北朝鮮国家とは何か。卓越した米国のジャーナリストが、金日成と北朝鮮国家にまつわる多くの謎を解く。金日成の満州やソ連領における抗日ゲリラ活動の真相とは? 魅力的な青年リーダーから巨大化する個人崇拝へと、いかにして変貌をとげたのか。ソ連からの干渉と決別、チュチェ思想誕生の経緯。50年代後半に韓国を上回った経済発展が70年代に逆転したのはなぜか。北朝鮮の闇、金父子の私生活の実態――。
著者がインタビューした北朝鮮元政府高官や軍人を含む数多くの証言。
「妻に密告された」「やはり金日成には感動します」「軍人は金正日に従うのを嫌がっています」「経済制裁は大打撃にはならない」「同僚兵士はみな戦争を願っています。経済状況があまりに厳しいので、なにか変わってほしいというのも理由の一つです」「ディスコ音楽を知って人々は尻を振って踊りはじめた」「アメリカが体制を脅かさないことを保証してやることがとても重要です」
関係者や亡命者の証言を吟味し、ぼう大な資史料を分析して、北朝鮮の現状と未来、そして日米の今後の対応のあり方について貴重なヒントを与えてくれる、北朝鮮問題集大成の大著。著者はこの本を13年もの歳月をかけて著した。630頁2巻という大分量ではあるが、読みやすい文体で、しかも尽きることのない興味ある事件、事実の連続で、読者は時間を忘れてしまうだろう。
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